If you want to learn how to fight, you must practice fighting against someone who is fighting back!
(闘争技術を学ぶなら、戦う相手にも闘争のための技術技法があることを前提にして、訓練し習得する必要がある)Burton Richardson(バートン・リチャードソン)

バートン・リチャードソンの紹介
(来日講習会主催の国際武学研究会(IMSRI)の光岡英稔から)

左:光岡英稔
右:バートン・リチャードソン

この度はアメリカでのJeet kun Do=ジックンドー(通称JKD)とフィリピン武術やインドネシア武術などの東南アジア武術の第一人者であるバートン・リチャードソン先生に来日していただき講習を開いていただくことになりました!

バートンは私が見てきた武術家の中でも指導力においては抜群のものを持ち合わせており、武術において全くのズブの素人からバリバリの熟練者までもを指導でき、彼等にそれぞれ何かを学んで帰ってもらえるよう指導してくださる希少な先生です。

左:光岡英稔
右:バートン・リチャードソン

私の知る限りフィリピン武術やインドネシア武術に関して此処まで見識が深く、指導力のある方はバートン・リチャードソンの他に類を見ません。

「東南アジアの武術を総合的に習うならバートン・リチャードソンの右に出る者あらず」と言えるほどの実力者です!

その道の第一人者であるバートン・リチャードソン先生からJKDと東南アジア武術を日本で習うチャンスが初めて訪れました!!

またとない此の来日講習会のチャンスに武術に関心のあるズブの素人からバリバリの熟練者の皆様まで、是非お越しください!

皆様の参加お待ちしております。

●バートン・リチャードソンとは?

私の知る限り、東南アジア武術に関して経験の裏付けある見識の深さにおいてはバートンの右に出る者はいません。

また、この武術の世界では珍しく熟練者の自我(エゴ)を感じさせない指導者です。

バートンの人柄の良さと指導者としての上手さは、アメリカの武術界広しと言えども他に類を見ません。

これは彼の天性の人柄なのか師匠であるダン・イノサント師父の教えの影響なのかは分かりませんが、彼は本当に誠実で人あたりも良く、指導力と人格を兼ね備えた人物です。

近年ではバートンの師であるダン・イノサント師父も「フィリピン武術のことを知りたいならバートンを紹介するから彼の所へ行き、彼から学び色々と訊いた方が良い、私より詳しく教えられるよ」と言われるほどの実力を付けているそうです。

長い歳月のせいもあるのかもしれませんが、久々にバートンとハワイで会った時は、昔にも増して彼が穏やかに、優しくなっていたことが何よりも印象的でした。

●バートン・リチャードソンとの出会い

Burton Richardson=バートン・リチャードソンとの出会いは私のハワイ時代、20代半ばの頃でした。ひょんな事から私がハワイのど田舎であるヒロにバートンを呼ぶこととなり、そこから付き合いが始まりました。

当時からバートンは武術界で知名度があり、日本で最初にダン・イノサント門下で映像にてJKDを紹介したのも確か彼だったように記憶しています。

また、アメリカでは当時、人気だったマーシャル・アーツ雑誌「Inside Kung-fu=インサイド カンフー」での連載もされていて、ハワイに住んでいた頃に連載記事を読ませていただく機会はよくありました。

インサイド カンフー

その著名な武術家バートン・リチャードソンと私が出会う経緯は少し複雑ですが、なるべく簡単にまとめてみると以下のようになります。

話は私の教えていた通称・光岡道場に来ていたグレン・コンドー氏の合気術の師匠であるバーニィ・ラウ氏との出会いから始まりました。

そのバーニィ・ラウ氏からジョン・フランソン氏と言う元警察官の人物を紹介されました。

バーニィはシアトル市警時代に共に修羅場の数々を潜り抜けてきたジョンを“武術的”に信頼しており

「合気術の弟子でもあり友人でもある人が近々ハワイに来るのだが、彼の髪の毛を引いて相手を制圧・コントロールする技術は一見の価値があるので紹介しようか?」と提案してくださり、私とジョン・フランソンが出会うこととなりました。

そのバーニィ・ラウ氏やグレン・コンドーも認める“強者”ジョン・フランソン氏は一見なんの変哲もないイージーゴーイング(気楽な)なオジさんでしたが、シアトル市警やバーニィ・ラウ門下では知る人ぞ知る「髪の毛および掴む所があれば、皮膚であろうと服であろうと一瞬で相手の髪などを掴み犯人を制圧するプロ」として知られていた人物です。

そして「髪の毛つかみ制圧テクニックの講習」を光岡道場のメンバーを中心にジョン・フランソン氏に指導していただくことになりました。

そのジョン・フランソン氏が何とバートン・リチャードソンの知り合いであり、ジョン自身も当時バートンからJKDの指導を受けている事が分かりました。

そして

「ジックンドーのバートン・リチャードソンて知ってる? もし、よければ彼をハワイに招いて講習会とかしない?彼は私が習った中でも彼はトップ・クラスの武術家/武術指導者だが、もし、関心があるなら彼に話してみるよ!」

と話をしていただいた事がバートンと私の出会うきっかけとなりました。

バートンによるハワイ講習会へのオファーの返答はモチロン即答で

“Yes! that would be great!!”(それは是非とも!!)

でした。

当時は YouTube の様な武術の動画配信もなくVHSで僅かな情報しかなかったなか、バートンのJKDコンセプトの映像は日本とアメリカの両方でVHSが購入可能であり、当時画期的に感じたことを今でも覚えています。

また、映像を出しているJKDの指導者の中でバートンは一際群を抜いていたことも印象的に覚えています。それに加え、ハワイの光岡道場の一員であったチャッド・カセレス氏は元々ロスで在学中にバートン門下にいたり、ハワイで仲良くなったバーニィ・ラウ氏はダン・イノサント氏とも仲良くキャンプ・ダンザンリューなる武術イベントではお二人共に講師として招かれ共にイベントで指導していたりと間接的には常にJKDとは繋がっていたようでした。

また、ダン・イノサント氏とバーニィ氏は共通の弟子などもおり、そこからの交流があったとバーニィからも聞いていました。その様にジックンドー=JKDとは間接的に縁があったものの、バートンを紹介されハワイでJKD=ジックンドーの講習会を実現できるとは当時、ジョン・フランソンと出会うまでは想像もしていませんでした。

そのバートン・リチャードソンによるハワイ講習会はトントン拍子で実現し、バートンには数回に渡ってハワイへ来ていただくこととなりました。

当時、彼はまだロスに住んでいて、ロスからフィリピンやアフリカへ行き、ハワイに来る時もロスからか、フィリピンからロスへの帰りか行きに寄って講習を開いていてくれたりしました。

●バートン・リチャードソンの現在

講習会がきっかけとなり、彼はハワイをとても気に入ったようで、今はハワイのオアフ島に住みつつ、JKDの道場を開き指導活動をされています。

そのバートンと十数年ぶりに今年初めにハワイで再会を果たしました。

長い年月の間、バートン自身もフィリピン武術界の生きる伝説であったアントニオ・イラストリシモ師に習い、数少ないイラストリシモ自身に公認を受けたカリの指導者となった話しなど、今の武術界の現状における課題について等を話し、是非とも機会があれば日本に来て指導いただく約束を得たことが今回の【バートン・リチャードソン来日講習会】の実現へと繋がったのでした。

国際武学研究会(IMSRI) 代表 光岡英稔